院長ブログ

2011.09.23更新

 この連休に長野県と山梨県の県境に位置する甲斐駒ケ岳 (標高2967m) に登って来ました。台風15号が紀伊半島に、16号が関東地方に接近し、本州に上陸しそうな状況下での登山は危険も予想されたので迷いましたが、当地への交通手段を既に予約していたので、とりあえずは当地まで行って登山可能か否か判断しようと思いました。

 北沢峠で南アルプス林道バスを下車し北沢駒仙小屋に到着時は小雨が降りぐずついた天気でしたが、その時点まではあまり降っておらず、山もさほどぬかるんでいない状態でしたので、登り始めたところ、結構山の天気は良かったです。

 歩き出してから2時間ほどは一度も人と出会うことも無く、私の単独行で、自然を独り占め!状態にリッチな気分を味わいました。その時に登りだした人たちは仙水峠経由で登った方々が多かったのでしょう。双児山山頂に着くと、行く手の駒ヶ岳の姿を確認でき、後ろを振り返ると仙丈ヶ岳の美しい山容も満喫できました。いったん下り、駒津峰まで登り返すと、そこで人だかり。正面に、8合目から頂上までは白い花崗岩で被われたピラミダルな甲斐駒ケ岳がドンと大きな姿で鎮座していました。あんな岩場を私は登り切れるのかしら?!とここにきて不安になりました。ここからがこの山登りのしんどさの始まりです。

 岩場では腰をかがめ、基本の三点保持を心掛け進みました。大きな岩の六方岩を過ぎた所で、直登コ-スと巻道コ-スの分岐の標識が出てきました。私は何も考えずに、直登コ-スの方が時間が短縮されるだろうぐらいの軽い気持ちで直登コ-スに突き進みましたが、身長 174.5m ・体重 65kg の私が右手・左足を精一杯伸ばしても、つま先が引っ掛かるステップもない程の大きな平らな垂直の岩にも遭遇し、両手のつま先だけで体を引きずり挙げるスリルを味わいました。手足の長い今どきの若者を羨ましく思いました。後から3冊ほど登山ガイドを確認すると、どの本もその分岐は直登コ-スは避けて巻道に入るとありました。でもかなりスリリングでしたが、岩を登り切った後、後ろを振り返ると、自分が登ってきた岩場が誇らしく感じられました。

 
 登り始めてから4時間10分ほどで頂上に着きました。山小屋で声をかけてくださった千葉から車で来たという40歳台と思しき男性も直後に登りつき、互いに写真を撮り合って、私は40分ほど頂上からの眺めを楽しみ下山しました。富士山も大きく、くっきりと見えましたョ。下りは無論、巻道コースを降りました。下山も直登コ-スでという猛者はほとんどいないようです。駒津峰まで戻り南にコ-スをとって、仙水峠を経て、北沢峠に戻りました。このコ-スは山すその、水辺を下るル-トで仙水小屋まではゴツゴツした小岩の上をを歩くので歩きずらかったです。このル-トから登るのも大変だなぁと思いました。

 結局、終日、天気は快晴で甲斐駒ケ岳登山をエンジョイできました。頑張ってここまで来た甲斐がありました。下山後はかなり汗臭かったので、林道バス営業所に隣接する仙流荘で温泉につかり、着替えてJRに乗車して帰宅しました。ただ、一つの心残りは19日に予定していた仙丈ヶ岳登山を断念したことです。いつか必ず仙丈ヶ岳にはチャレンジしたいです。