院長ブログ

2012.05.21更新

昨日は三重県と奈良県の県境の、台高山脈の支脈にある薊岳(あざみ
だけ)に登って来ました。「あざみ」というイメ-ジに興味を引かれ車を
とばして朝早くから登り出したのですが早々に、登山用のステッキを
持って来なかった事を後悔しました。

私はステッキを使わずに、二本の足の裏のバランス感覚を鍛え、
山の斜面に対応すべきだと思っていますし、近場の山登り用の
30Lぐらいのザックの表にはステッキを結わえておく「紐」もなく
かといってザックの中に入れると、時としてジッパ-が緩んで口が開き
ステッキや他の物が、知らぬ間にこぼれ落ちる事を経験しました。

しかし今回の山道は岩や小石ではなく土道で
しっかりとステッキが効く事を感じましたし、傾斜もきつかったので
あいている腕も活用しようと、倒木の枝木を二本拾い、適当な長さに
膝でへし折ってステッキ代わりに使ったところ、快適!快適!
ステッキの良さを再確認しました。

尾根に出ると厳しい風にさらされ、早くこの状況が変わらないかと
めげつつも足を速めていると、予期せぬ所で突然だだっ広い開放的な
明神平に出てきました。

そこまではコ-スを示す為に樹木に赤や黄色のテープが巻かれ
進路がはっきりしていましたが、急に進路不明に陥り
あわててコンパスを取り出して地図で確認している所で
たまたま、横に救世主 (?) が現れ、丁寧にコ-スを教えて下さいました。
それまでは、全くの私の一人旅で、この山には私一人っきり?てな感じ
だったから、すぐ横に男性がいた事にも少々驚きました。

聞くと、彼は反対側のコ-スから早朝登ってきて、この明神平を過ごして
少し先の明神岳から桧塚と桧塚奥峰まで往復して今、ここに戻ってきた由。
私の下山予定コ-スを登ってきた彼も、今から下山するところで
結局、彼と一緒に会話しながら下山しました。

その道は、去年の台風でかなり崩落していました。
こちらから登ってくる方々ばかりでしたが、よくこんな道
登れると決心されたな~と感心するとともに、彼に先導してもらわなければ
私だけならこの道は諦めたでしょう。

さらに彼は、私が車を駐車していた所よりもかなり手前まで車で
入り込んでいたので、「車の所まで送りましょうか?」 との申し出に
喜んで跳びつきました。まさしく彼は今日の私にとって救世主でした。
三重県の津市から来たという 40 歳台なかば(?) の彼に感謝です。